≪二段ベッド≫

 

 

 

 


「オレが上!!」

「ボクが上!!」

 

 

 

「オレのが兄ちゃんなんだぞ!!」

「兄さんは、ボクより弱いじゃんか!!」

 

 

アルのその一言が、ついに殴り合いのケンカに発展するきっかけとなってしまった。

 

 

「なんだとぅ!!!!」

エドはアルに掴みかかる。

 

 

『ドカっ。バシッ。ゲシッ・・・・・・。』

 

 

 

 

 

 

 

勝負はあっけなく決着を見せた。

 

 

 

 

 

 

「ほら、やっぱりボクのが強い。」

アルは倒れこんだエドを見下ろし笑った。

 

「じゃ、ボクが上のベッドだからね〜♪」

「ちっくしょ〜!!!・・・・オレが上のベッドに寝たかったのに〜!!」

 

エドは悔しそうに叫んだ。そんなエドを尻目にアルは2段ベッドの上へと登る。

 

 

「ちぇっ。」

エドは諦めて、下段のベッドに横たわる。

 

 

アルは上段のベッドから顔だけ出して、下段のベッドを覗く。

 

 

 

「なんだよ?」

 

すると、すぐにエドの視線とぶつかる。

 

 

 

「くすっ。何でもない・・・・。」

 

 

アルはそう言って顔を引っ込めた。

 

 

 

(兄さんが上のベッドで寝たんじゃ、見たい時に顔が見れないじゃないか・・・・・。)

 

 

 

 

アルvsエドのケンカは、今日もまたアルに勝ち星が上がったのでした・・・。